出典:名村造船所
名村造船所が潰れると言われる理由
①コロナの流行により停滞した
2019年のコロナ感染が拡大したことにより日本全体の経済がストップし、商談の停滞が続いていた時期があった。
苦渋の決断で新造船の事業を休止し、修繕を柱に再構築を待つこととした。2021年商談が動き始めたことにより徐々に回復している。
②大きな事故があった
2023年7月に静岡市清水区尾羽の国道1号「 静清せいしん バイパス」で橋桁落下事故があり8人が死傷する惨事となった。
すぐに社長を委員長とする対策委員会を立ち上げ、現場の復旧および被害者対応に全力をあげてとり組んでいる。
③スタッフ不足である
社長も新造船市場の成長を捉える上で「最大の経営課題は人材確保になる」と技術者や技能者のが不足していることに苦悩しているようだ。
設備の再整備や就業環境の改善を行うなどスタッフの確保にも積極的に取り組んでいる。
業界全体を通して今後は外国人就労者を増やすことも必要である。
④赤字であった
2021年、早期退職者子会社の佐世保重工業などに希望退職者を募り250人が早期退職となった。
早期退職関連費用に多額の特別損失が必要となった。
2022年は赤字であったが、原価削減活動の成果と円安の高価で2023年度の純利益が76億円となり黒字となった。
⑤株が大幅に下がった
金融危機、海運市場悪化を背景とし、株が下落した時期があった。
名村健介社長が会見で
と発言したことを受け造船業界が好転していると期待されたことや会社自体の業績が上がってきたことで現在は株価は大幅に上昇している。
⑥造船における他国との争い
かつては日本のシェアが50%だった時代もあるが今は10%程度にとどまっている。
対して中国、韓国が80%を占めている。
低価格であることが理由に挙げられており、品質に問題なければ今後も選ばれ続ける。
日本が対抗するためにはコスト削減、品質向上が必要がある。
現在円安であり輸出に有利であるともいえるため踏ん張りどころと言える。
⑦造船業界自体が不況であった
船の供給過剰となり市場規模縮小していた。海運全盛期に大発注された船舶のリプレイス時期となる。
老朽船の代替や環境対応船の需要が大きくなると見られるため市場は拡大していくはずだ。
名村造船所の口コミ
長い歴史があり、佐賀県でもかなり大きな会社で安定していると思い、入社したいと思いました。
入社後丁寧に教えてもらえました。
歴史のある造船会社です。
タンカー、コンテナ船、自動車運搬船、LKG船など産業に必要な船を多く作っています。
地方の造船会社を系列にし、国産造船業の中で存在感を放っています。
名村製造所さんは歴史のある企業です。
橋の製造にも携われています。
会社の高度な技術が我々の普段目にする船や橋に活かされています。
中心事業である造船の他、橋梁、大型鉄構構造物、浮体構造物などを製造する鉄構事業を手がけています。
ロンドン駐在員事務所も設置されています。
まとめ
名村造船所だけでなく造船業界は長らく停滞が続いていた。
しかし、兆しは明るく今後は新造船事業とともに修繕船事業、鉄鋼機械事業にも力を注いでいくようだ。
人材確保や教育も着実に進んでいる。
スマートファクトリー化への投資を拡大して、環境に合わせた造船、技術力と生産効率の向上、顧客対応力を強化するなどを強みとしてさらなる成長、進化を進めていくと思われる。