安藤ハザマが潰れると言われる理由と考察、不祥事。

安藤 ハザマ

出典:安藤 ハザマ

株式会社 安藤・間(呼称:安藤ハザマ)は2013年に建設に強みをもつ安藤建設と、土木を得意とする間組が合併して設立された中堅ゼネコンの会社である。

従業員数は2024年4月1日現在3,375人。本社を東京都港区に置き、国内では北は北海道、南は福岡県に支店がある。海外ではタイやベトナムなどの東南アジア圏やアメリカなど多くの拠点を持つ。

人々の生活に欠かせない建設会社が潰れる可能性はあるのか?

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ゼネコンとは?

ゼネコンは英語の「General Contractor(ゼネラル・コントラクター)」の略称で、建設に関して総合的に請け負う業者のことである。日本では「総合建築業」と言われる。

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ゼネコンの魅力は?

ゼネコンは学校・オフィスビル・マンション・病院・商業施設などの施設のほか、トンネル・鉄道・ダムのようなインフラ設備を建築している。 社会基盤である建設に関わるため、高い社会貢献性が高い。

そして、災害における復興や、建造物の復元および修理など人々の生活に大きな影響がある。

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ゼネコン業界が抱える問題

ゼネコン業界が抱える問題として、人手不足や高齢化が深刻となっている。

一般社団法人日本建設業連合会の調査によれば、建設業就業者数は2003年時には約600万人だったが、2022年時には約490万人となっている。

人手不足の原因の一つに建設業に入ってくる若者が少ないことがあげられる。

建設業には「きつい・汚い・危険」といった「3K」のイメージが強くあるため、現代のワークライフバランスを重視したい若者が就職先としての検討を避ける傾向にあるのだ。

さらに、労働条件が悪い・上下関係が厳しいなどのマイナスのイメージがあることも就職活動において避ける一因と考えられている。

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実績

安藤建設株式会社、株式会社ハザマの頃から130年以上の歴史を持ち、多くの大型案件や難易度の高い案件などに携わってきた幅広い経験と専門知識を持つ。

手掛けた案件は数多い。

国内では土木分野の黒部ダムや津軽ダム、青函トンネル、東京ビッグサイトなどの他、建築分野では名古屋城本丸御殿復元、JA京都競馬場整備(厩舎工区)などがある。

海外でもネパール・シンズリ道路やペトロナスツインタワー、コロンボ空港ターミナルビルなどがある。

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安藤ハザマの不祥事

①領収書上の改ざん

2017年、2014~2015年の間に東京電力福島第一原発事故における除染事業で、作業員の宿泊人数や宿泊単価を改ざんし水増しをした領収書を複数の自治体側に提出していたことが判明。

領収書上の改ざん額は約8千万円にものぼった。

社員2名が詐欺罪で在宅起訴され、環境省から3ヶ月の指名停止処分を受けた。社員2名は2018年に有罪判決が出た。

②多摩テクノロジービルディング建設現場で火災

2018年7月26日、多摩テクノロジービルディング建設現場で火災が起き、作業員5名が死亡。

業務上過失致死傷と業務上失火の疑いで、社員と現場責任者、下請け作業員の6名が書類送検された。

③所得隠し

2019年11月、東京国税局の税務調査を受け、2018年3月期までの5年間で約2億5千万円の所得隠しを指摘された。

下請け業者に架空発注や水増し請求をして裏金を作り、接待や一部社員により私的流用されていた。これらの不正に関わった社員数十人を処分。

その他の経理ミスを合わせた申告漏れ総額は約3億円となった。

④施工不良

2023年10月、東海第二原発の防潮堤工事で、基礎のコンクリートの充填不足による鉄筋の変形が発生する施工不良が見つかった。施工者は、安藤ハザマ・五洋建設・若築建設の共同企業体である。

2024年1月12日対策案が発表され、一部の未充填箇所のみコンクリートを補充し、その他は代替鉄筋を追加して対応することとなった。

⑤JR線線路脇ののり面崩壊

2024年3月、名古屋駅付近で発生したJR線線路脇ののり面崩壊は、隣地で安藤ハザマが進めていた名古屋鉄道の施設建設に伴う掘削工事が原因だったことが分かった。

2024年4月17日に工事を実施していた安藤ハザマが明らかにした。

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社員・元社員の声

退職理由として多かったものが、

拘束時間が長い

転勤・異動が多い

年功序列による昇給

といった、古くからゼネコン業界で挙がる問題だった。

ゼネコン業界全体として離職率は高いが、大手ゼネコンの離職率が低いこともあり、大手と中堅での給料や福利厚生の差が影響していると考える。

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まとめ

合併してからこの約10年の間に不祥事が続いた。

しかし近年では売上高はプラスとなっており、2024年1月に起きた能登半島地震の復興作業においても大きな役割を担っている。

ただ、大手も含め建材の値上がりなど資材高騰が影響し、営業利益は大手に輪をかけて厳しいものとなっており、日本の景気の回復が遅れている現在、中堅同士の合併は行われる可能性はあるのではないだろうか。